
水晶ファミリーの一員で、半透明の縞模様がある石を アゲート と呼びます。
日本では縞模様があるかないかに関わらず、メノウ・瑪瑙としています。
石英の小さな結晶が集まって塊になっているものです。
アゲートの加工

この石は着色処理がしやすく、さまざまな色に着色されて販売されています。
きちんと処理が行われているものは退色はありません。
着色・研磨技術で有名なのはドイツのイーダー・オーバーシュタインが知られています。
(アゲートに限らず、宝石マイスターの街です。)
日本では、江戸時代は若狭(福井県)の遠敷で。
今でも伝統工芸品として販売されています。
江戸末期から明治初期にかけ、山梨県甲府でさかんになったそうです。
甲府は今でも加工地として有名です。
アゲートの名前の由来
イタリアのシチリア島の古い川の名前で”アカテス”から”アケート”そして”Agate”となったそうです。
日本の名前の”メノウ”は、産出の際に腎臓状で馬の脳に良く似ていたためということが由来だそうです。
なんだかびっくりな話ですね。

アゲートの伝説
この石のいわれを調べていくと、ちょっと変わったものが出てきました。
古代ペルシャではこの石を焼いた煙が、台風や竜巻の進路を変え、川の流れを止めると信じられていたそう。
また、ヨーロッパでは、この石に紐を付けて海に投げこみ、その石を探しに潜ると石の横に真珠があると言われています。
アゲートは、真珠を探すとわれいていたそうです。
中国では、七宝の一つ。
そして日本では、日本書紀に白いメノウが朝廷に謙譲されたとされる記述があるそうです。
ブルーレースアゲート / BLU ELACE AGATE

爽やかな水色の模様が人気のブルーレースアゲート。
磨いた物がよく出回っていますが、原石も爽やかな色味で素敵です。
モスアゲート / MOSS AGATE

石の中に森を閉じ込めたようなモスアゲート。
眺めているだけで心が安らぎます。
和名を苔瑪瑙(こけめのう)。
模様がそのまま名前になりました。
玉髄類のアゲートやカルセドニーは、珪酸を含む溶液が岩石の空洞にたまって作られます。
さらに、クロライトやマンガンが水溶液という形でできかけている玉髄類の亀裂に入り込み、この模様ができます。

別名はモカ・アゲート、モコアスとも言うそうです。
イエメンの紅海沿岸に古代の産地があり、交易地”アルモカ”の地名からモカストーンと呼ばれていたそうです。
ネットで少し調べてみると、関連があるかどうかは不明ですが、この辺りはコーヒーの産地で、”マタリアルモカ”という名前のプレミアムコーヒーを見かけました。
古代の農耕民族の間では、豊作と富をもたらし、安定した状態に導く力があると言われていたそうです。
天候が安定しないと作物が実らなかった古代を考えると、石の中の森は永遠に続く感じがして、安定感を感じたのでしょうか…

デンドリチックアゲート / DENDRITIC AGATE

和名 忍石・樹枝状瑪瑙
デンドリチックアゲートの名前の由来はギリシャ語の樹木”dendron”とのことです。
アゲートとは、石英(水晶)グループの一員で半透明で縞のあるものをいいます。
縞がなく、色が比較的均一だとカルセドニーという名前になります。
しかし、流通上混じっているのが実情です。
因みに、樹枝状となるものはアゲートだけではなく、
- 水晶(デンドリチッククォーツ)
- オパール(デンドリチックオパール)
等もあります。
亀裂に入るマンガンや鉄分が石に素敵な絵を描いてくれます。
風景画のようにとても綺麗な物もあり、そのようなデンドリチックアゲートのことを特に、ランドスケープアゲート / landscape agateと呼びます。
マンガン
Mn 原子番号25。
元素です。
マンガン乾電池等聞いたことがあると思います。
このマンガンとは、人間になくてはならない必須元素でもあり、骨の成長や代謝・消化に関わる機能を果たします。