
一般的にアメジストは、紫色が濃く均一になっているものが良質とされます。
この条件をクリアするアメジストの産出は少量です。
熱処理にて黄色・褐色・緑色・無色に色を変化させられるとのこと。
また、日光で退色するとの話は比較的知られていると思いますが、放射線を照射すると本来の紫色がもどることもあるそうです。
水晶の中で紫色のものをアメジストと呼びますが、水晶は家族が多い!
そして皆美人です。
参考 石英の種類と分類 水晶一家ご紹介
産出地 産状

AMETHYST Concave cut 7.1×9.0㎜ 1.72ct Brazil
アメジストは、火山岩や堆積岩の低温熱水鉱脈に産まれます。
特に火山岩の中にできる晶洞と呼ばれる穴の壁に、びっしり結晶が張り付いてまさしく”はえている”ような状態のものがよく見受けられます。
晶洞とは、岩石の中にある空洞→穴をいい、熔岩の蒸気の逃げ道や脈によくみられます。
その穴の中に鉱物の結晶がみられるものを晶洞と一般的にいいます。
産地はなんといってもブラジルが一番。
リオ・グランデ・ド・スールは有名です。
スリランカ・マダガスカル・南アフリカ等で良質のものが採れます。
日本国内では、宮城県白石市雨塚山が有名です。
昔、加賀紫と呼ばれる良質なアメジストが産出されていたようですが、現在では産出がないとのことです。
基礎データ
Amethyst Brandberg Mountains,Namibia
化学組成 | 珪酸塩鉱物 SiO2 |
色 | 紫色 |
条痕 | 白色 |
結晶系 | 六方晶系 |
へき開 | なし |
硬度 | 7 |
比重 | 2.65 |
ギリシャ神話と名前の由来

Amethyst Balkhash Lake Karaganda Oblast,Kazakhstan
アメジストの名前の由来は、ギリシャ語でお酒に酔わないという意味の言葉「amethystos」からだそうです。
ギリシャ神話に、アメジストの誕生の話があります。
バッカスは、今から最初に会った人に、自分の家来であるバッケー達を仕向けようと考えていました。 バッケーとは、見た目はヒョウで酔っ払っている猛獣ですが、唯一、葡萄酒を作る才能がありました。 そこへ歩いてきたのは、月の女神ディアナのいる神殿につかえる妖精のアメシスト。 バッカスがバッケー達をけしかけて襲われる直前、アメシストは小さい石となってしまいました。 見ると透明で綺麗な石、水晶になっていました。 あまりの石の美しさと自分の犯した罪に深く悔い、”未来永劫、私の葡萄の実りはアメシストへの懺悔になろう”と叫びながら葡萄酒を石に注ぐと、紫色の水晶=アメシストになったということです。 その後、バッケー達も改心し、葡萄酒作りに精を出し、バッカスが行くところどころで酒と豊穣があり人々を喜ばせたということです。 そしてバッカスは酒と豊穣の神 バッカス神となりました。

Amethyst Sonora,Mexico
このアメジスト、20歳の記念石だそうです。
大人になってお酒も飲めるようになり、”悪酔いしないように!!”と贈るとのこと。
アメジストは酔い止めに効くと言われ、乗り物酔いにも恋愛や人生の酔いにも効くと言われています。
紫外線の影響で退色する事があります。
保管の際の日光に気をつけてください。
日光足尾町 紫水晶