
和名 重晶石
バライトと聞くと、無色透明・白・水色・ピンク・黄色等、色のバリエーションが豊富な鉱物というイメージがあるのではないでしょうか?
また、その形も様々な形で産出され、板状だったり、塊であったり、粒粒であったりします。
指の爪で何とか傷をつける、もしくは、硬貨でこすると何とか傷をつけることができる程度の硬さです。
柔らかく、落としたら悲しい結果が待っています。
そして炎色反応は緑色。
硬度は2.5-3.5。
硝酸バリウムは花火の原料として使われています。
条痕は白。
何色のものでも全部白です。
また、バライトは蛍光鉱物ですが、蛍光するかしないかはブラックライトを当ててみないとわかりません。
(こちらは蛍光しませんでした。)
蛍光鉱物といえば、フローライトなどもそうですね。
重晶石の名前の由来ですが、重く(比重が)、結晶しやすいということからこの名前が付けられたそうです。
また、Bariteという名前の由来はギリシャ語の”バリス”→重いということからだそうです。
ボローニャの石
Barite Oumjarane Mine Sshara Morocco
17世紀、蛍光現象のある石をイタリアのボローニャのそばの山にて採取することができ、これをボローニャの石と呼んでいたそうです。
17世紀といえば、錬金術の時代。
もちろん、今現在の鉱物の知識の概念自体が皆無な時代です。
錬金術の実験の中で、この蛍光現象が発見され、今でいうところの重晶石だそう。
ただし、採取した石そのままではなく、実験の結果→手を加えた結果光っていました。
焼いて粉にして、それを固めていたそうです。
バリウム
BARYTE PEAK HILL, SIDMOUTH, EAST DEVON, DEVON, ENGLAND, UK
そしてこのバライト、胃の検査の時にげっぷを我慢しつつ頑張って飲むアレ。
- 原子番号 56
- 元素記号 Ba
バリウムの主要鉱石です。
同じバリウムでも、硫酸バリウム(重晶石の成分)がバリウム検査のバリウムに当たります。
この硫酸バリウム以外のバリウムには毒性があるものが多く存在し、あまり摂取しすぎると不安・不整脈・呼吸困難などを引き起こします。
これに対し、硫酸バリウムは、水や酸(胃液)にはとけないため、飲んでも大丈夫です。
ちなみに、バリウムは毒物及び劇物取締法等で規制されています。
また、天然のウランに中性子を照射した結果、バリウムの同位体を発見したことによって、”核分裂反応”が確認されました。
そしてその7年後、広島と長崎に原爆が投下となりました。
新しい発見は、平和と幸せのためだけに使ってほしいものです。
基礎データ
化学組成 | 硫酸塩鉱物 BaSO4 |
色 | 無色透明・白・水色・ピンク・黄色 ・褐色 等 |
条痕 | 白色 |
結晶系 | 斜方晶系 |
へき開 | 三方向に完全 |
硬度 | 2.5-3.5 |
比重 | 4.5 |
※バライトですが綴が barite baryte 2種類あります。どちらでもOKです。