![方解石 カルサイト calscite 茨城県大子町下小川[大沢口]](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0594/0615/5976/files/calsite1_1024x1024.jpg?v=1651583619)
へき開を持つ鉱物(三方向に完全)で、”マッチ箱がつぶれた形に割れる”といわれる鉱物ですが、様々な形で楽しませてくれます。
アイスランドスパー オプティカルカルサイト オプティカルスパー
この名前(和名 氷州石 ヒョウシュウセキ)は、菱面体の自形結晶のカルサイトで透明度が高く良質のものをさす名前です。
※参考 偏光フィルター ニコルプリズム(ニコル)
”複屈折現象”という言葉で思い出す方もいるかもしれません。
理科の実験で登場する石です。
自形と他形
![方解石 カルサイト calcite 茨城県大子町下小川[大沢口]](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0594/0615/5976/files/calsite2_1024x1024.jpg?v=1651583631)
- 自形(自形結晶)
その鉱物特有の形(結晶した形)がきれいに成長しているもの。 - 他形(他形結晶)
その鉱物特有の形(結晶した形)が隣りあった鉱物などに阻まれ、うまく成長できず結晶面が発達しなかったもの。
基礎データ


化学組成 | 炭酸塩鉱物 CaCO3 |
色 | 無色 白色 |
条痕 | 白色 |
結晶系 | 六方晶系 |
へき開 | 完全(三方向) |
硬度 | 3 |
比重 | 2.7 |
屈折率 | 1.48-1.66 |
※屈折率
光が透明・半透明な鉱物に入ったとき、光の速度と方向が変化することを屈折率といいます。
屈折率は入っていく光の角度と曲がった後の光の角度の比で表されます。
屈折率が高ければ高いほど鉱物はきらきらと輝き、ダイヤモンドの屈折率は、2.42。
ルビーやサファイアは1.76~1.77、水晶は1.54~1.55です。
値が高ければ高いほど屈折率は高く、きらきら度は増します。
鍾乳洞の鍾乳石とカルサイト
鍾乳洞の鍾乳石は、水中の方解石成分(水とカルシウムの化学反応)がツララ状に固まったものです。

鍾乳洞は石灰岩(方解石)で出来ています。
石灰岩は堆積岩の一種で、先に書いた分類で分けると生物岩と化学岩、両方に属します。
サンゴの遺骸・炭酸カルシウム(石灰岩はこの炭酸カルシウムを50%↑含む岩)の体を持つフズリナや貝類等が堆積して固くなり石灰岩となる場合と、温泉に溶けている石灰が沈殿して石灰岩を形成する等の場合とがあります。
雨が降り、水は土を通りぬけ二酸化炭素を含みます。
その水が石灰岩に到達すると、石灰岩を溶かしていきます。
その溶けてできた割れ目から次々と水の流れができて、地下に流れこみ石灰岩を溶かしていきます。
その穴が鍾乳洞です。そして、この鍾乳洞の陸上を見てみると、川がなく、なだらかな地形をしています。
そして水が流れこむ穴があちこちにあいています。
このような地形をカルスト地形と呼びます。
この土地は保水性が悪く、草原のような景観となります。
このカルスト地形で有名なのは、山口県秋吉台・福岡県平尾台等があります。
炭酸カルシウムは溶けるだけではなく、再結晶し”鍾乳石”や”石筍(セキジュン)”といった独特の外観を持つ石灰岩を形成していきます。
そしていつしか鍾乳石と石筍はくっついてしまいます。
それを石柱といいます。
鍾乳洞独特のあの形はこうして作られます。
石柱ができるまで

- 鍾乳石 地表から染み込んだ水がぽたぽた落ちて行く過程で、天井面から方解石がつらら状にできたもの。
- 石筍 鍾乳石から滴り落ちる雫によって、床面から方解石がうず高くなったもの。
参考 鍾乳洞の種類
-
海食洞(カイショクドウ)
波にたたきつけられて割れ目ができ、えぐられ、穴になったもの。 -
氷河洞(ヒョウガドウ)
氷河の下の部分の氷が溶けたもの。 -
溶岩トンネル
熱い溶岩が通った後の穴。
おまけ
カルサイトはお値段的にもさほど高額なものではなく(珍しいのや形の美しいものはそれなりに高額ですが…)、色やその姿も様々で、身近で愛嬌のある鉱物です。
国内でも採取は可能で、検索してみるとたくさんの産地があります。
そうです。
私はカルサイトがとても好きな人です!(笑)
気をつけることは、比較的脆い鉱物なので持ち運びや落としたりすると叫び声を発することになりますので取り扱いには十分注意しましょう。

