
CITRINE Brazil
黄色の水晶 和名黄水晶。
この黄色は鉄分による発色です。
火成岩・堆積岩・変成岩と、あらゆる岩石中に見られ、六角柱状・そのクラスターや塊となって産出します。
シトリンはトパーズのイミテーションとしても利用されており、”シトリントパーズ”のネーミングはシトリンのことです。
シトリンは硬度7(ガラスや鋼鉄などに傷をつけることができる)、トパーズは硬度8(石英に傷をつけることができる)となります。
名前の由来
レモンに関連した話があちこちから出てきます。
- ギリシャ語のレモンという意味の言葉から
- 柑橘類のシトロンの果実の色に似ているから
- 柑橘類を表すシトラスに由来
などなど。
黄色=レモン色というイメージからのようです。
色と処理と偽物 思うこと
シトリンの色味は、薄い黄色-濃い黄褐色までバリエーションがあります。
天然に色合いが均一で、インクルージョンのない美しいものは少なく、アクセサリーなど処理をしたものが存在しています。
アメジストの加熱処理のものが一番数が多く出回っています。
処理に関してですが、ご存じの方も多いと思いますが、天然のシトリンで色合いもクラックも少ないものはかなり希少で、市場で流通しているシトリンは、処理をして色合いを美しく、そして手に入れやすい価格なって存在するものが多いです。
天然のシトリンを利用して処理をすることはまずないと思います。
シトリンはそもそも水晶の仲間。
アメジストも同じく水晶の仲間ですが、このアメジストが地熱で気の遠くなるような長い時間をかけてゆっくりと加熱され、色味が出たものが天然のシトリンです。
意図的な加熱で色味を出すか、気の遠くなるような時間をかけて色味を出すかのちがいですが、これをバッサリ偽物という言葉で片付けてしまうのはいかがなものかと思います。
ちなみに、水晶を放射線処理して色味を出しているものもありますが、これも岩盤から自然の放射線が出ている地域があるわけで、上記の加熱と同じように考えてみてはいかがでしょうか?
また、他の宝石類で、長く愛してもらえるために強度的な問題をカバーするための処理もあります。
よくこの辺の解釈や認識の観点から、大きな声をおききします…
シトリンの色に似せたガラスをシトリンです!と言って販売した場合はそれは偽物!となるわけですが、”偽物”という言葉は安易に使うべきではないと思います。
偽物という言葉の基準が違うと難しい話になりますし、自身の勉強不足をぶちまけてしまうことになると、なかなか恥ずかしい気持ちになりますよね…
そして何より。
物理的な観点からどんなに偽物であっても、人の心によりそった”モノ”は、全て”ホンモノ”となることがあります。
石に限らずに…。
販売をしている身でお品物に対してこの観点は決して該当させていませんが、それ以外でのこの観点は多く存在していると感じています。
自身の考え方や視点を持つということはとても重要で大切なことですし、持たれている方はとても素敵な方と思います。
ただ、その観点のもと、誰かに向けて相手の中の”ホンモノ”を頭ごなしに否定することは、相手を深く傷つけてしまうことがあります。
私の思う最高に素敵なコレクターさんは、それを理解しているコレクターさんと思います。
また、天然のものかどうかわからない場合、店に直接問い合わせをしてみることが一番です。
CITRINE Brazil
基礎データ
化学組成 | 珪酸塩鉱物 SiO2 |
色 | 黄色 |
条痕 | 白色 |
結晶系 | 六方晶系 |
へき開 | なし |
硬度 | 7 |
比重 | 2.7 |