鍾乳洞は石灰岩(方解石)で出来ています。
石灰岩は堆積岩の一種で、分類上は生物岩と化学岩の両方に属します。
石灰岩ができるケース
- サンゴの遺骸、炭酸カルシウム※の体を持つフズリナ、貝類等が堆積して固くなったもの(生物岩)
- 温泉に溶けている石灰が沈殿したもの(化学岩)
雨が降り、水は土を通りぬけ二酸化炭素を含みます。
その水が石灰岩に到達すると、石灰岩を溶かしていきます。
その溶けてできた割れ目から次々と水の流れができて、地下に流れこみ石灰岩を溶かしていきます。
その穴が鍾乳洞です。
※この記事は、石の基礎知識 石ができるまで に記載していた内容です。こちらに移転しました。
鍾乳洞とカルスト地形 秋芳洞と秋吉台
鍾乳洞といえば、山口県の秋吉台にある秋芳洞がパッと浮かぶ方は多いのではないでしょうか?
鍾乳洞としては日本最大規模となります。
Unknown authorUnknown author, Public domain, via Wikimedia Commons, original data
[[The Akiyoshido cave is the largest limestone cave in East Asia. Those looking for a little adventure had the opportunity to explore hidden passageways off the beaten course during a trip to the caves with the Single Marine Program.]]
鍾乳洞の陸上を見てみると、川がなく、なだらかな地形をしています。
そして水が流れこむ穴があちこちにあいています。
このような地形をカルスト地形と呼びます。
この土地は保水性が悪く、草原のような景観となります。
そらみみ (Soramimi), CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons, original data
[[秋吉台カルスト展望台より望む秋吉台(桂木山・鯨ヶ岳方面)]]
石柱ができるまで

炭酸カルシウムは溶けるだけではなく、再結晶し”鍾乳石”や”石筍(セキジュン)”といった独特の外観を持つ石灰岩を形成していきます。
そしていつしか鍾乳石と石筍はくっついてしまいます。
それを石柱といいます。
鍾乳洞独特のあの形はこうして作られます。
[[この柱は元はつながっていたが、地殻変動の結果外れてしまったとのこと。これが再びくっつくまでには数百年かかるらしい。]]
- 鍾乳石 地表から染み込んだ水がぽたぽた落ちて行く過程で、天井面から方解石がつらら状にできたもの。
- 石筍 鍾乳石から滴り落ちる雫によって、床面から方解石がうず高くなったもの。
鍾乳洞の種類
海食洞(カイショクドウ)
波にたたきつけられて割れ目ができ、えぐられ、穴になったもの。
ROBERT JACK, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons, original data
[[静岡県西伊豆町にある天窓洞。天然記念物である。(堂ヶ島天窓洞)]]
氷河洞(ヒョウガドウ)
氷河の下の部分の氷が溶けたもの。
Gillfoto, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons, original data
[[Mendenhall Ice Cave looking at Exit, Juneau, Alaska.]]
溶岩トンネル 溶岩洞
熱い溶岩が通った後の穴。
Osumi Akari, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons, original data
[[鳴沢氷穴内でライトアップされた場所。青色LEDでライトアップされた場所。光源は画像左。]]
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※石灰岩と言われるのは、炭酸カルシウムを50%↑含む場合。
※タイトルイメージを見た方へ。雪山は富士山です。(鳴沢氷穴つながりで、10年以上前の画像を引っ張りだしました^^;画像荒くてすいません…)