
カラー豊富で共生鉱物も多く、ファンの多い蛍石。
人工蛍石も登場し、ますます目が離せないですね。
名前の由来

フローライトの語源はラテン語で”流れる”(fluere)ということからで、この石が溶けやすい性質を持つことから名前がついたそうです。
また日本語の蛍石の語源は、炭火などで熱すると青白く発光することから。
熱すると割れて飛び散ることがあり危険です。
紫外線を当てると光るという蛍光現象は、この石によって発見されたもの。
しかし、蛍石でもこの蛍光現象が起きるものと起きないものがあります。
用途

フローライトはフッ素とカルシウムからできていて、フッ素の原料となっています。
さらに濃硫酸とフローライトを反応させると、猛毒のフッ化水素ができます。
ちなみに歯科でフッ素塗布と言って虫歯になりにくくするためのお薬は、フッ化ナトリウム。
これは大丈夫です。
以前歯科で、このフッ化水素とフッ化ナトリウムを間違えて塗布し亡くなったという事故がありました。
他に、蛍石を使ったレンズや、昔から製鉄等の融剤として用いられてきたそうです。
指標石

硬度4-ナイフの刃で簡単に傷をつけることができる-の指標となっている鉱物です。
丈夫な硬さがあるとはいえず、衝撃で割れてしまう(へき開 四方向に完全)ことがあるので取り扱いは十分に注意してください。
蛍石 いろいろ
人工蛍石
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キヤノンオプトロン社製 合成蛍石 | キヤノンオプトロン社製 合成蛍石 |
詳しく知りたい方は、中央宝石研究所 CGL通信 vol41 「キヤノンオプトロン社製合成蛍石について」
内モンゴルの青蛍
肉眼でぱっと見ると黒っぽく透け感が少ないように思うのですが、光マジック!
きれいな深い青。
ライトをあてた状態とあてていない状態で撮ってみました。
Fluorite on Quartz Huanggang Mine chifeng inner Mongolia China
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一目惚れの蛍

トップ画像の蛍とカルサイトと水晶の共生標本ですが、一目惚れした標本です。
背中側はしっかりとしたポイントの形状をしたミルキークォーツの船に蛍とカルサイトが乗り込んだような風景です。
これを機会に、私風景好きなんだわぁと妙に納得してしまったのです(笑)