イシスは古代エジプトおよび古代ギリシア・ローマに出てくる女神。
水晶のイシスはこの女神からの名前です。
この女神イシスの系譜・生まれるまでとなります。
イシスの家族はエジプト創世神話を知ることでわかりますが、そもそも神話は時代や地域等によっていろいろなバリエーションがあります。
エジプトの創世神話も、各地域ごとに違った内容となっています。
今回お話するのは、その中の一つを大筋でご紹介します。
ご了承の上お読みください。
エジプト創世神話
世界は水に満たされた海しかなかった。
この海は原始の海=ヌンと呼ばれ、このヌンから創造神アトゥムが現れて、一人で二人の子供をもうけます。
※もうけ方は閲覧禁止になりそうな内容が有名ですが、ソレ以外にもありますので^^;そちらをご紹介します。
創造神アトゥムの鼻腔から空気の神 シュー、口から湿気の女神 テフヌトが生まれた。生まれてからはウミから遠ざけた。しばらくして、創造神アトゥムは自身の右目である太陽(=女神ハトホル)に子どもたちの様子を見てくるよういいつけた。女神ハトホルは二人をアトゥムのもとへ連れて帰ってきた。その後、アトゥムは水を引かせ、ベンベンと呼ばれる丘をつくり、世界を創造した。創造に使った力は3つで、ヘカ (魔術)シア (認識)フウ (告知)。
フウに関してですが、言葉の力のことで、言霊のようなものと思ってください。
この3つの力は神となった。そして太陽神ラーとしてアトゥムが運行する空の船に乗り込むことになった。4つ目の力として全てを調整する力・調和の女神マアトが現れた。
太陽神ラーはもともとヘリオポリスで信仰されていました。
創造神アトゥムは太陽神ラーよりも後の登場ですが、習合しました。
イシスの直系家族
創造神アトゥムは、空気の神シューと湿気の女神テフヌトを生み、この二人が結婚し大地の神ゲブと天空の女神ヌトを生みます。
ゲブとヌトは超ラブラブで、いつも一緒。ソレを見た父親のシューは許容しがたいほどのベタつき具合にうんざりしたのと同時に、大地と天空がくっついていると大気の居場所がない。ヌトを引き剥がし、横たわるゲブを踏みつけ、大気を巡らせ空を支えた。
E. A. Wallis Budge (1857-1937), Public domain, via Wikimedia Commons, original data {{PD-US}}
「ゲブとヌト」
ヌトは四つん這いとなり空が丸くなったと言われます。
ヌトは子を宿していた。シューは一年中どの日にも子供を産めない呪いをかけた。知恵の神トトは助け舟を出すため、月の神コンスに賭けを持ちかけ、”自分が勝ったら1年にプラスしてもう少し日がほしい”。見事勝利し、5日間をもらった。ヌトはその5日間で5人の子供を生んだ。
- 冥界の神オシリス
- 豊穣の女神イシス
- 戦争の神セト
- 葬祭の女神ネフティス
- (ホルス)
オシリスとイシスそしてセトとネフティスはそれぞれ夫婦となります。
オシリスとイシスの子供はホルスといいます。
ホルスについて
ここでわからなくなると思うのですが、ヌトの子供である天空の神ホルスとオシリスとイシスの子供であるホルス…
このホルスという名前の神様は、変幻自在。
各地域や時代によって、見た目から役割からはたまた他の神とくっついたり離れたり…
文献でも、5人の子供を生んだと書きながら4人しか記されていないものが多く、追求は試みましたが記事をいくつあげればいけないのか(泣)という状況となりましたので、ここにお知らせしておきます ^^;
この次の記事で、イシス物語がありますので、イシスの子であるホルスについてお話します。
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プチシリーズ