
和名 異極鉱
別名 カラミン(calamine)(珪酸亜鉛鉱)
色は、無色透明・白色・鮮やかな青・褐色・青緑色等あり、結晶の形が出ているものは比較的稀で、葡萄状の結晶の集合体での産出がよく見られます。
綺麗なものは宝石として加工されています。
異極鉱 異極像(晶)

”異極鉱”という名前の由来は、”異極像(晶)”に由来します。
結晶の両端が違った形を示すものを”異極像(晶)”といいますが、その代表的な鉱物として”異極鉱”という名前がつけられました。
それぞれの結晶一つ一つは薄い柱状の形をしており、その柱の片方が尖っていて反対側が平坦な形をしています。
産出 産状



国内では、神岡鉱山(岐阜・富山)・木浦鉱山(大分)・細倉鉱山(宮城)があります。
国内で標本として見かける産地としてはアメリカ・メキシコ・中国が上がります。
以外でも、昔からの産地であるイギリスや、ドイツ・イタリア・スペイン、そしてナミビア等でも産出が見られます。
その姿としては、異極像での形状以外に、葡萄状・塊・皮殻状での産出を比較的見かけます。
他に放射状や砂や粒状、葡萄状のものの丈が伸びたような鍾乳状などがあります。
きれいに研磨され、優しい色合いの水色と白などのビーズなども出回っています。

異極鉱は”亜鉛”をとるために採掘される鉱石です。
身近なところでは、亜鉛でメッキした薄い鉄板のトタン。
電気分解で溶かした亜鉛の中に、鉄を浸し亜鉛メッキしたものです。
亜鉛メッキをすると、サビ防止になります。
異極鉱は二次鉱物でもともとあった鉱物が酸化により別の鉱物となったものです。
亜鉛・鉛の硫化物(硫黄と化合したもの)の鉱床に産出され、菱亜鉛鉱( Smithsonite スミソナイト) 白鉛鉱(Cerussite セルサイト) 硫酸鉛鉱(Anglesite アングレサイト)などと共生します。
異極鉱の別名のカラミンとは…
異極鉱の別名のカラミン(calamine)(珪酸亜鉛鉱)という名前は、
- 水亜鉛土
- 菱亜鉛鉱/スミソナイト
- 異極鉱
からなる主に白色の亜鉛鉱石のことをいいます。まだこの区別がついていない時、真鍮を作るための亜鉛の鉱石をまとめてカラミン/calamineと呼んでいました。
因みにカラミンという言葉。女性の方はコスメで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
カラミンとはお薬としてもあって、調べてみると”皮膚の軽い熱傷・日焼け・湿疹などに対し、軽い皮膚の保護作用を示す。”とありました。
また化粧品としては、”酸化鉄を微量配合した酸化亜鉛”とありUVケア等に使われています。
基礎データ
化学組成 | 珪酸塩鉱物 Zn4Si2O7(OH)2・H2O |
色 | 青 無 白 褐色 青緑色 |
条痕 | 白 |
結晶系 | 斜方晶系 |
へき開 | 完全 |
硬度 | 4.5-5 |
比重 | 3.4-3.5 |