MARCASITE Ambanja, Diana, Antsiranana, Madagascar
結晶の形は柱状・板状を多く見かけます。
”トサカ”のような形が並んでみられるようなものもあり、いろいろな姿で楽しませてくれます。
比較的地表に近い堆積岩にみられ、酸性の水溶液が地下に浸透することで産します。
黄鉄鉱と色合いを比べると、白鉄鉱のほうが名前の通り、白っぽい金色です。
モーニングジュエリーで有名なジェットや真珠とともに、哀悼の気持ちをあらわす宝石として使用された歴史を持ちます。(後期ビクトリア時代)
※モーニングジュエリー(mourningjewelry) 喪事のとき着用する宝石
化学式は黄鉄鉱(パイライト)と同じ化学式です。
化学式は同じですがパイライトは等軸晶系、白鉄鉱は斜方晶系です。
これは化学式は同じだけれど結晶構造の違うもの=多形・同質異像といいます。
同質異像(多形)とは、化学組成が同じで結晶構造が異なる(原子の配置が異なっている)ものです。
化学組成式は全て同じになりますが、わかりやすく言うとその並び方・手のつなぎ方が違います。
その鉱物が作られるときの温度や圧力の違いによって、この同質異像(多形)は生まれます。
もちろん、同質異像のそれぞれの鉱物は、鉱物単体としては全く別の鉱物となります。

Pyrite Spain
基礎データ
化学組成 | 硫化鉱物 FeS2 |
色 | 黄色 |
条痕 | 灰黒色 |
結晶系 | 斜方晶系 |
へき開 | 明瞭 |
硬度 | 6-6.5 |
比重 | 4.9 |
保管
CALCITE MARCASITE Linwood Mine, Buffalo, Scott Co., Iowa, USA
保管に関してですが、空気に触れると酸化被膜を作り黒っぽく変色してしまいます。
私は、密封袋に小さなシリカゲルを入れてさらに個別ケースに収納して保管しています。
また、光にも反応するとの記載をちらりと見たので、棚の奥のほうに保管をしています。
黄鉄鉱と比べ酸化のスピードが速いですので、そのまま(むき出しのまま)ポンと置いておくのはやめたほうがよいと思います。
CALCITE MARCASITE Linwood Mine, Buffalo, Scott Co., Iowa, USA
追記
保管について調べたところ、いろいろなケースがあるようです。
乾燥すると分解が早まる、つまりボロボロになるスピードが速まるということで、ケースに入れるだけで保存している方もいるそうです。
その土地の気候や保管場所の状態にもかなり左右されると思いますので、たまに確認が一番ベストですね。
また、水分と反応して硫酸を作るので、触った後は必ず手を洗いましょう。
そのままお菓子をつまむのはやめましょうね。
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ここからはこそっと話(笑)
黒っぽくなってしまったマーカサイト、台所用洗剤でわしわし洗って外で完全乾燥。
その後密封袋+シリカゲルで保管し半年後。
全く問題ございません!
しかし、やり方はあくまで自己責任でどうぞ。