Mookaite Australia
ムーカイト・モッカイトといくつかの呼び名のある独特の色味と質感のあるこの石。
実は化石に近い構造を持つ石です。
名前の由来は採掘される場所、オーストラリアムーカクリーク・Mooka Creek。
”ムーカ”は地元のアボリジニによると”流水”を意味するとのこと。
このムーカクリークは淡水泉がたくさんあり雨季に水を供給しますが、これに関連しているのでは?と考えられています。
1960年半ばより西オーストラリアの海岸沿いにあるカーナーボン(Carnarvon)の東に180kmのムーカリーク(Mooka Creek)にて採掘されています。
ここはもと羊の放牧地で、小さな毛刈り小屋などがポツンポツンとあり、4WDで自給自足の旅をしなければいけないような場所です。
赤い大地と緑。
この地域のクリークとは、雨季には水が溜まって川になりますが、通常水はほぼなく乾燥していて、水の流れた跡が確認できるような地形をしている場所です。
特にこの場所は淡水泉が複数あるようです。
ちなみにここの地域の水は飲めません。
Windalia Radiolarite ウィンダリアラジオラライト
ウィンダリアラジオラライトというのは、このムーカイトと深いつながりを持つ地層の名前です。
ムーカイトがある場所は、かつては海の中であったと考えられます。※1
やがて海水が蒸発していくと、海にいた放散虫の遺骸が数メートルの高さにわたって降り積もります。
更に鉄やシリカをたっぷり含んだ水がこれを固め※2、ウィンダリアラジオラライトという名前の地層となりました。
このウィンダリアラジオラライトは数千メートルもの面積があり、白亜紀前期もしくは約1億2000万年前と言われています。
ムーカクリークの底にこの地層はあります。※3
通常は乾燥していますが、ウィンダリアラジオラライトから水がしみているようで、この場所のあちこちにムーカイトが小さな(小さなといっても抱っこするくらい)塊となって存在しています。
※1 ベレムナイトやアンモナイトの痕跡があることからそう考えられています。
※2 鉄分とシリカの濃度が高い地域性のため、カラーバリエーションが豊かであるという見解です。
※3 通常、ウィンダリアラジオラライトは露頭にて観察(磁器化している)できます。
補足 この段落を書くにあたり、数件の英文を訳したのですが一部はっきりしない記載などもあり、OKと思われる範囲で私なりにまとめました。
ジャスパー?鉱物?
ジャスパーの一種とサクッと紹介されていますが、下記の3つ、もしくは下記のうち2つが組み合わさったものがムーカイトとのことです。
- チャート 遺骸が堆積した石
- オパライト オパールの透明ではないもの
- カルセドニー
と…、これ、鉱物ではないですね。
いくつかの鉱物が混じった岩石ということになります。
良質のムーカイトはカルセドニー質の半透明のものと言われますが、まったく透けていないものの流通もふんだんに見られ、とても魅力的です。
一般的に水晶の分類でよく言われる、半透明がカルセドニー・不透明がジャスパーという観点で、ジャスパー…?
※透けてないからジャスパー説は完全に私個人の推理です!
…私は透けてないほうが好きです。
2.についてですが、人気のあるピンクオパールは、ムーカイトの別の形との解説を見かけました。
ムーカイトクリークの南に1キロほどのところだそうですが、乳白色ー明るいピンク色のラジオラライトです。
参考 mindatピンクオパール
基礎データ
- モース硬度6-7
あくまで参考値として考えてください。