
遊色効果からオパールの意味・いわれを考える
オパールは、遊色効果から意味を考えると覚えやすく判りやすいかと思います。
遊色効果(プレイオブカラー)とは、オパールの中のシリカが光を回折させるためにおこる、表面の虹色のきらきらした輝きのこと。
その”きらきら感”を”子供の瞳”と、たとえてみましょう。
素直で希望にあふれ、無邪気な瞳で世の中を見ています。
何でも楽しくしてしまう、積極的な姿勢。
そして、遊色の輝きの色がたくさんあることに習って、たくさんの才能と解釈をすることもあります。
ウォルタースコット 「ガイエルスタインのアン」
イギリスの作家ウォルタースコットの小説「ガイエルスタインのアン」はそれまでのオパールのイメージをがらっと変えるきっかけとなりました。
主人公とオパールの髪飾りは魔法にかけられ、楽しい時には美しい輝きを放つオパールの髪飾りが、主人公が怒ると真っ赤になるという話で、オパールに聖油をかけて魔法をとくと、主人公は一握りの灰になってしまうというお話です。
それまで古の世から美しい・希望の石として言い伝えられてきたオパールは、この小説によって不吉の石の象徴となってしまいます。
遊色効果を”心変わり”と結びつけたことから、不吉の象徴として扱われた時期がありました。
サラ・ベルナール
そして、そんな当時のこと。
フランスの女優、サラ・ベルナールはオパールを肌身離さずつけていたことで有名です。
まだ芽の出ない無名の時代、ファンからオパールをもらったそうです。
そして大女優になった際、舞台でもふんだんにオパールを身につけました。
そして後、79歳で永眠。
国葬となりました。
サラは生まれも貧しく、苦労して大女優となり、事故で片足を切断する事になった波乱の人生を歩みました。
そんな中、オパールとともに事故にも負けず仕事をしていたそうです。
まさに、”希望の石”の復活を体現した人だと思います。
オパールの分類
オパールはいろいろな分類法があります。
私自身も今までごちゃごちゃしていたのをこれを機に、調べなおしてみました。
諸説いろいろあるとおもいますが、以下の内容でまとめてみました。
オパール分類法その1 プレシャスオパールとそれ以外のオパール
◆プレシャスオパール
ホワイトオパール | 地色が明るい白、もしくは明るい乳白色の淡色の色合いのもの。 |
ブラックオパール | 地色が黒・濃い青・緑色・グレーのもの。 |
ウォーターオパール | 地色が透明で水のようなもの。 |
ファイアーオパール | 地色が黄色・オレンジ・赤のもの。 |
ボルダーオパール | 地色が茶色(母岩が褐鉄鉱)のもの。オパール層と母岩を丸ごと研磨したオパールの総称。クィーンズランドオパールとも呼ばれます。 |
ライトオパール | 地色が半透明のクリーム色・乳白色・ホワイトグレー色のもの。 |
ライトオパールの色味が細かく分かれた色味のものが、ホワイトオパールです。
よく同じ言葉の意味合いで使われていますが、厳密には違うとのことです。
※ ボルダーオパールとライトオパールは最近プレシャスオパールの分類となったそうです。
◆プレシャスオパール以外のオパール
◇遊色効果のあるオパール
アンバーオパール | ゴールドオパール。 地色が褐色・黄色の遊色効果のあるもの。 |
フレームオパール | 光が縞状・筋状に走るもの。 |
アイアンオパール | ピンポイントオパール。 光のポイントが小さいもの。 |
◇遊色効果のないオパール
コモンオパール | 遊色効果のないもの。 |
ハイドロフェーン | 水分のないオパール。 水に浸すと遊色効果を示します。 |
ウッドオパール | 樹木の化石化したもの。 |
モスオパール | 苔状のインクルージョンがあるもの。 |
ワックスオパール | ワックスのような光沢のもの。 |
セミオパール | 半透明のもの。 |
オパライト | 不透明で色がきれいなもの。 |
オパール分類法その2 産地による分類
◆オーストラリアオパール
ホワイトオパール | 地色が明るい白もしくは明るい乳白色の淡色の色合いのもの。 |
ブラックオパール | 地色が黒・濃い青・緑色・グレーのもの。 |
ジェリーオパール | メキシコ産のウォーターオパールに相当。 無色で遊色効果が高い。 |
クリスタルオパール | 遊色が一様ではなく、それぞれの色が強く現れるもの。 |
グレイオパール | 地色が灰色の遊色のもの。 |
アンバーオパール | ゴールドオパールとも言われます。 地色が褐色・黄色の遊色効果のあるもの。 |
セミブラックオパール | ブラックオパールよりも地色に透明度があるもの。 明るい感じのもの。 |
クリスタルブラックオパール | ブラックオパールとセミブラックオパールの中間のもの。 |
ボルダーオパール | 地色が茶色(母岩が褐鉄鉱)のもの。 オパール層と母岩を丸ごと研磨したオパールの総称。 クィーンズランドオパールとも呼ばれます。 |
コモンオパール | 遊色効果のないもの。 |
オパライト | 不透明で色のきれいなもの。 |
◆メキシコオパール
ファイアーオパール | 地色が黄色・オレンジ・赤のもの。 ブラックオパールに並び、日本でとても人気のある石です。 |
ウォーターオパール | 地色が透明で水のようなもの。 メキシコ産代表オパール。 ファイアーに対してウォーターと呼ばれます。 無色で遊色効果が高いもの。 ”メキ・白メキ”といえば、このウォーターオパールをいいます。 |
カンテラ | 母岩付きの遊色オパール。 メキシコのオパールの母岩である流紋岩を、メキシコの名前でカンテラ(cantera)と呼ぶそうです。 |
オパール分類法その3 産状による分類
◆マウンテンオパール
火成岩の中にできたもの。
メキシコオパールが相当します。
珪酸を含んだ熱水が作用してできたもので、高温で急速にオパール化したため、透明度が高い。
◆サンドストーンオパール
砂層のなかにできたもの。
オーストラリアオパールが相当します。
珪酸を含んだ温水が作用してできたもので、低温でゆっくりオパール化したため、透明度が低い。
補足 ピンクオパールについて
ピンクオパールはコモンオパールの分類とされてきましたが、ほとんどのピンクオパールがパリゴルスカイト(粘土の一種)とクリストバライト(方珪石)が混じった混合鉱物であるということだそうです。
注意点

オパールは水分を含む鉱物なので乾燥に弱いです。
(パリゴルスカイトも水分を含んだ鉱物です。)
熱や乾燥でひび割れをおこします。
割れやすく、傷もつきやすい石です。
長時間の日光は避け、取り扱いには十分注意してください。