
”銀”と聞くと一番先に思い浮かべるのは何でしょうか?
銀食器・シルバーアクセサリー等、生活と密着している銀。
最近では銀の除菌効果をうたった商品も販売されていますね。
全ての銀の半分は工業目的、もう半分はアクセサリーや銀器等の投資目的です。
”銀白色”という言葉がありますが、その名の通りとても白い金属です。
和名は白銀(しろがね)です。
銀の産出のトップ3は1位メキシコ・2位中華人民共和国・3位ペルー。
産出の形状は、ひげ状や樹枝状が多く見られ独特の姿です。
とても柔らかく、手でも折り曲げられ、延性および展性に富んでいます。
展性 | 圧力、叩かれると薄く板状に伸びる性質。 展性と延性を合わせて、塑性(そせい)といいます。 |
延性 | 弾性の限界を超えても破壊せずに引き伸ばされる性質。 |
保管について
Silver製品は黒ずんでくることが常ですが、これは、硫黄と反応することにより硫化銀となる反応です。
微量の硫黄でも反応しますので、保存の場合は密閉できるようにすると良いです。
アクセサリーなどは使用した後にシルバークロスなどでお手入れを忘れずにすることをおすすめします。
基礎データ
化学組成 | 元素鉱物 Ag |
色 | 銀白色 |
条痕 | メタリックグレー |
結晶系 | 等軸晶系 |
へき開 | なし |
硬度 | 2.5 |
比重 | 2.7 |
屈折率 | 9.6-12 |
貴金属元素
金 | Au | ジュエリー用貴金属合金 | ー |
銀 | Ag | ジュエリー用貴金属合金 | ー |
プラチナ(白金) | Pt | ジュエリー用貴金属合金 | 白金族元素 |
パラジウム | Pd | ジュエリー用貴金属合金 | 白金族元素 |
ロジウム | Rh | メッキとして利用 | 白金族元素 |
イリジウム | Ir | プラチナの割り金として利用 | 白金族元素 |
ルテニウム | Ru | プラチナの割り金として利用 | 白金族元素 |
オスミウム | Os | ー | 白金族元素 |
品位
ジュエリー用貴金属である金・銀・プラチナ・パラジウムとその合金は、品位区分があります。
品位とは、強度を増すため他(割り金)を混ぜて合金として使用する場合、その純度の割合をしめしたものです。
例えばシルバー製品に”Silver925”と刻印が打ってあるものは、925/1000=92.5%が銀ということです。
他によく聞くのはスターリングシルバー。
銀92.5%+銅7.5%のものをいいます。
ちなみに純銀は”サラ”、純金は”ヤキ”と呼ばれることもあります。
下記にある造幣局のホームページの参考URL(貴金属製品の品位区分と証明記号)を見ると、品位区分と証明記号が表となってそれぞれ記載されています。
(表の記載をしていないのは品位区分などが変更になる場合のことも考えてあえてリンクとしました。)
この証明記号は造幣局による検査で合格したものに打刻されるマークで、ホールマークと呼んでいます。
それでは、リンク先の表の”銀製品”に着目してみましょう。
- 品位(純度): 999
- 証明記号 : 日本の旗の絵・ひし形(品位を表す)・千分率での品位(純度)
造幣局の検査を受けたものに関してはこの証明記号のホールマークがついており、信頼ある表記となっています。
またこのホールマークは、造幣局の検査は必須ではなく任意の検査となっているので、造幣局の証明記号と同じ打刻がなければいけないということではありません。
そして、品位区分そのものには変遷があります。
例えば、以前、純銀は1000と表記していたのですが、現在は999との表記となっています。
実際、1000分の999…つまり純銀ではないの?と思うところですが、これは表現が変わっただけで、現在の表の中にある999が1000と表記されていたということです。
アクセサリー等、貴金属製品は受け継がれていくこともあり、長い歴史を歩んでいきます。
ですのでもちろん!表記が変わっても以前の刻印はきちんと有効です。
参考
造幣局ホームページ
貴金属製品の品位区分と証明記号https://www.mint.go.jp/operations/exam/operations_certification-02.html
銀塩写真
Takkk, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons, original data
1980年代 - 1990年代の「銀塩フィルム」のパッケージ群。
デジタルカメラの登場で激減した、あの独特の味のある絵にマニアの方も多い銀塩写真。
銀塩写真というといまいちピンとこないかもしれませんが、カメラのフイルムに銀塩が使われていることからこの名前がつけられた、大きく言えばデジタルカメラ以外のフィルムを使った写真のことです。
フィルムカメラは、レンズを通して捉えた景色をフィルムに焼き付けることによって記録し、その記録したものを現像という作業によって写真とします。
つまり、レンズから入った光によってフィルムの銀塩が感光性を発揮し変化します。
銀塩写真はハロゲン化銀を感光材として使用しています。
ハロゲン化銀は、フッ化銀・塩化銀・臭化銀・沃化銀の総称で、この4つの中でフッ化銀は感光性がなく、残りの3つは感光性があり写真に使われます。
写真として使われる場合、塩化銀と臭化銀が主に使われています。
現像とは、現像液で光があたった部分に反応し像を作り、定着液で光が当たらなかった部分の変化のなかった銀塩を洗い流す作業です。
デジタルカメラの登場によりフイルムに使われていた銀は、太陽光パネルやはんだ、電子部品等へ代替されました。
除菌効果
銀イオンによる除菌効果をうたった商品がいろいろ販売されるようになりました。
デオドラントスプレーやマスク等。
除菌効果があるということはその昔から知られており、銀食器に応用されています。
銅も同じように除菌効果がありますが、銀のほうが高い除菌効果を有しています。
そのメカニズムですが、いくつが説がありますが確定されていないとのことです。
また、銀の弾丸は魔除けの役割との言われがありますが、除菌効果との関連があるのでは?と思いました…
参考
日本イオン株式会社
銀イオンの殺菌システム(1) https://www.japan-ion.com/other/silver_system.pdf