スファレライト 閃亜鉛鉱 Sphalerite

スファレライト 閃亜鉛鉱 Sphalerite

Sphalerite Las Manforas Aliva Cantabria, Spain

Sphalerite Las Manforas Aliva Cantabria, Spain

ギリシャ語で”人を欺く” ”ごまかし”を表す”sphaleros・スファレロス”からの命名だそうです。
これは、一緒に産出される鉱物と見分けが付きにくいことから付けられた名前だそうです。

  • 鉄閃亜鉛鉱
    鉄分が多く不透明でまっ黒なタイプのもの。
  • べっこう亜鉛
    鉄分が少なく透明で黄色褐色、緑色や白っぽいものもある。 
閃亜鉛鉱 青森県碇ヶ関産

閃亜鉛鉱 青森県碇ヶ関産

亜鉛とは

元素記号 Zn
トタンにメッキをしたり、真鍮などの合金に使用されます。
また、人体にとっては必須微量元素の一つでなくてはならないものです。
味覚を正常にする働きなどがあり、不足すると免疫力低下をまねきます。
牡蠣やチーズ、大豆に含まれています。
亜鉛不足はお肌に良くないそうです。

産出地 産状

Sphalerite Las Manforas Aliva Cantabria, Spain
Sphalerite Las Manforas Aliva Cantabria, Spain

産地ですが写真のスペイン・イタリア・ルーマニア・イギリス・ベルギー・ポーランド・アメリカ・ロシア等。
そして日本。

  • 秋田県佐山鉱山
  • 宮城県細倉鉱山
  • 岐阜県神岡鉱山
  • 埼玉県秩父鉱山

等、日本で目撃率は非常に高いです。

産出される場所は熱水鉱脈がメインです。
方鉛鉱(ガレナ)・苦灰石(ドロマイト)とともに産することが多く、また、同じ化学組成で違う結晶系(原子の構造が違う)の鉱物でウルツ鉱という鉱物があります。
ウルツ鉱という鉱物は六方晶系・閃亜鉛鉱は等軸晶系。
閃亜鉛鉱の同質異像※1にあたる鉱物です。
見た目の 形がウルツ鉱でも中身は閃亜鉛鉱に変化していたりする場合が多く(仮晶もしくは仮像※2)、産出量はあまり多くありません。

※1 同質異像(多形)とは、化学組成が同じで結晶構造が異なる(原子の配置が異なっている)ものです。
化学組成式は全て同じになりますが、わかりやすく言うとその並び方・手のつなぎ方が違います。
その鉱物が作られるときの温度や圧力の違いによって、この同質異像(多形)は生まれます。
もちろん、同質異像のそれぞれの鉱物は、鉱物単体としては全く別の鉱物となります。
※2 仮晶とは、とある鉱物が結晶した形を残したまま、中身が別の鉱物に置き換わってしまうこと。

キラキラの源 屈折率と分散率

べっこう亜鉛はルースコレクターに絶大な人気があります。
しかし、一般的な認知度はとても低いです。
閃亜鉛鉱の硬度は3.5-4で柔らかく、へき開は完全。

キラキラさを見るには、屈折率と分散率。
光が透明・半透明な鉱物に入ったとき、光の速度と方向が変化することを屈折率といいます。
屈折率は入っていく光の角度と曲がった後の光の角度の比で表されます。
屈折率が高ければ高いほど鉱物はきらきらと輝き、ダイヤモンドの屈折率は、2.42。
ルビーやサファイアは1.76-1.77、水晶は1.54-1.55です。
値が高ければ高いほど屈折率は高く、きらきら度は増します。
閃亜鉛鉱の屈折率は2.36-2.37!
ダイヤモンドの屈折率と張り合える値です。

Sphalerite Las Manforas Aliva Cantabria, Spain
Sphalerite Las Manforas Aliva Cantabria, Spain

そして分散率。
白色光が通ると、その光は7色の各色(赤橙黄緑青藍紫)によって屈折率が変わり、虹色の光になることを分散といいます。
宝石の分散率は、赤と紫の屈折率の差で表され、値が大きければ大きいほどキラキラするということになります。
(ファイアもしくはディスパージョンとも言います。)
ダイヤモンドの分散率は0.044、閃亜鉛鉱の分散率はなんと0.156!
ギラギラですね。

クライオフェン-Cleiophane

Cleiophane/クライオフェンという鉱物がありますが、これは閃亜鉛鉱に含まれる副成分である鉄分・マンガンなどが少ない純粋な閃亜鉛鉱のこと。
透明度が高く、更にもましてキラキラです。

シャーレンブレンド SCHALENBLENDE

Olkusz Mine Olkusz Malopolskie Poland

シャーレンブレンドは、いくつかの鉱物が同心円もしくは層状になった鉱石です。
硫化鉱物の共生となります。
オレンジ色の蛍光が確認できます。

シャーレンブレンドになくてはならない鉱物は、閃亜鉛鉱。
閃亜鉛鉱がなく、他の鉱物のみの場合は、”シャーレンブレンド”とはなりません。
閃亜鉛鉱以外のこの層を作る鉱物でメジャーなものは、ガレナ・白鉄鉱・ウルツ鉱等があります。
ウルツ鉱は閃亜鉛鉱の同質異像(多形)ですが、見た目の形はウルツ鉱、でも中身は閃亜鉛鉱に変化していることもあり(仮晶)産出量はあまり多くありません。
亜鉛鉱石として閃亜鉛鉱・ウルツ鉱は貴重な存在ですが、シャーレンブレンドとなると希少なため、採掘されることそのものがあまり多くはなく、鉱石としての経済的目的よりも研磨をして美しい模様を楽しむということで流通しています。

シャーレンブレンドは、熱水による交代作用で形成され、まずコロイド状の硫化物ゲルができその中に硫化亜鉛・硫化鉛・硫化鉄などの小さな粒が含まれ、圧力と温度、濃度と化学組成が時間の経過とともにその層を作り出します。
結晶化する時間は比較的急速と考えられています。

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