
和名は”電気石”
熱を加えることで、結晶の両端がプラスとマイナスに帯電することからこの名前となりました。
とても複雑な化学組成をもち、
「トルマリンの化学は宝石のつくりというより中世の錬金術の処方箋に近い」(ジョン・ラスキン)
とその複雑さを表しています。
トルマリンの仲間
トルマリンは珪酸塩鉱物のグループの名前です。
代表的なものは以下となります。
鉄電気石 | schorl | ショール |
苦土電気石 | dravite | ドラバイト |
リシア(リチア)電気石 | elbaite | エルバイト |
FOCUS : 鉄電気石-schorl(ショール)

鉄電気石をピックアップします。
電気石グループで一番多くの産出量で、あちこちで見られます。
基礎データ
化学組成 | 珪酸塩鉱物 NaFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4 |
色 | 黒 |
条痕 | 無色 |
結晶系 | 六方晶系 |
へき開 | 不明瞭 |
硬度 | 7~7.5 |
比重 | 3~3.2 |
黒い見た目ですが、条痕は無色なんですね。
また、とても薄い状態のものだと、色合いが青緑に見えます。
産出地 産状
産出地はあちこちで見られます。
ブラジル・パキスタン・イタリア等いろいろありますが、日本では福島県石川町や山梨県甲府市等があります。
マグマが冷えてできた花崗岩ペグマタイトや変成岩から産します。
また結晶は柱状で縦の条線が見える集合体、または針状のものが放射状に集まった集合体がみられます。
ホウ素と鉄電気石
ホウ素 B
鉄電気石は、ホウ素の重要な鉱石です。
ホウ酸やホウ砂など化合物が日常で使われています。
ホウ酸は、目の洗浄でよく使われていますね。
ホウ砂を混ぜると耐熱性がよくなり、急冷・急加熱に耐えられるようになります。
私も自宅で使用していますが”パイレックス”!
耐熱ガラスの添加剤でもあります。
焦電性
熱を加えることで電気を帯びることです。
電気石がよく知られていて、気温があがるとホコリを引き寄せます。
それは、気温があがることで+と-の電極が生じ帯電することが原因です。
熱するとなる現象ですが、熱というと火であぶったりと想像しがちですね。
ですがこの場合の熱とは、摩擦熱も入ります。
電気石でこすった布にほこりがつきます。
電気石はこの性質を持っています。
参考 石の基礎知識 磁気的性質 電気的性質 炎色反応
色
トルマリンはカラーの豊富な石です。
色によっていろいろな名前があります。
赤 | ルベライト-rubellite ※ルビーのような色合いのもの。 薄いものはピンクトルマリン。 |
|
赤紫 | シベライト-Siberite | |
無色 | アクロアイト-Achroite | |
黒 | ショール-Schorl | ブラックトルマリン |
青 | インディゴライト-indicolite | ブルートルマリン |
緑 | ベルデライト-verdelite | グリーントルマリン |
褐色 | ドラバイト-dravite |
最近では色の名前+トルマリン、たとえばグリーントルマリンと呼ぶことが一般的なようです。
色の名前と鉱物種
上記の名前で、ショールは鉄電気石、ドラバイトは苦土電気石と予想がつくと思います。
残りの色の名前のものはどの仲間?と思うと思いますが、全部リシア(リチア)電気石です。
ですが、色という単位で考えた場合、複数のトルマリンの鉱物の種類にまたがって呼ばれています。
更に、エルバイトとドラバイトの間で固溶体を作り、ドラバイトとショール及びエルバイトの間に固溶体※1を作るため、まぜこぜになった姿も見られます。
※1固溶体とは、2つ以上の元素が融け合って混じり合い均一になっている個体の状態をいいます。トルマリンは複数の美しい色合いを豊富に持ち、その色が何色にもわたって再現されている標本も多く、本当に目を奪われます。
ベンジャミン・フランクリンとトルマリン
またこのトルマリンは、ベンジャミン・フランクリンが愛した石だそうです。
アメリカ独立に多大なる貢献をした人物は、凧の実験で雷と電気が同じ物であると明らかにし、避雷針を発明した人でもあります。
トルマリン いろいろ
ウォーターメロントルマリン Watermelon Tourmaline

真ん中がピンクで外側が緑色のウォーターメロントルマリン。
緑の中にピンク色の色合いから、ウォーターメロン=スイカトルマリンとも言われます。
クロムによる緑色の発色のものはブラジリアン・エメラルドという名前がついて、とてもきれいな緑色をしています。
パライバ トルマリン Paraiba Tourmaline

ブラジルパライバ州で採れる、この独特の色とテリ。
このネオンブルーの色は、銅が引き起こすそうです。
そして最近では、ナイジェリア産のものも、加熱処理するとこのパライバと全く同じ色になるそう。
これは大昔、ブラジルのパライバ州とナイジェリアが近い位置にあったとされる大陸移動説に後押しされています。
パライバトルマリンというと、ブラジルパライバ産のものだけの名称のように思うのですが、社団法人日本ジュエリー協会の定義によると、パライバトルマリンとはその産地を特定するものではなく、ナイジェリア・モザンビークでも石は採掘されていおり、”銅イオンによりブルー~グリーンを呈するトルマリン”をパライバトルマリンとするとのことです。
ちなみに、パライバトルマリンはエルバイトです。
トルマリンクォーツ Tourmaline Quartz

水晶の中に針のような形で水晶の中に内包されているものをトルマリンクォーツ/トルマリンインクォーツ/トルマリネーテッドクォーツと呼ばれます。
名前の由来
名前の由来は、シンハリ語(セイロン→現スリランカの現地語)の”turmali(トルマリ)”
これは”色の混ざった石”を表す言葉だそうです。
もともとイエロージルコンもしくはイエロージルコンとトルマリンが混じった石をさす名前だったのですが、いつしかトルマリンのみに用いられるようになったそうです。
お客様より嬉しいプレゼント
いしのみせTENDERTIMEYahoo店よりお買い上げいただいた小瓶入りのトルマリン。
こんなにも素敵に描いてくれました。
頂いたときはほんとに嬉しくて、おかしなテンションになってしまいました(笑)
良いフレームが見つかったら、部屋にも飾りたいと思っています。
外出がままならない日々が続きますが、気持ちの窓があきました。
@kamima_ite様
ありがとうございます(^^)
おかげさまで、こちらの小瓶入りトルマリンは5個すべて売り切れとなりました。
ご購入いただけましたお客様はもちろん、皆様にもこのかわゆさをぜひ❤ご堪能ください。